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大人の作文

夏が終わって思ったこと  ヒロミ

 夜、白州に着くと、民家にひしめくたくさんの小さな靴、青いビニールシートの屋根、 ブロックのかまど、竹の切りくず、夜更かしの子供、子供を呼ぶ班リーダー、それらが次々と「夏の学枚、始まってます!」と言わんばかりに目に飛び込んできた。毎度の事ながら、 少し遅れて来た私は周りとの体温の差を感じつつ、徐々に自分を温めてゆくのです。しかし、冷静なのもここまでで、後はいっつもどおりの汗だくの始まりだ。

 ハーブのプログラム.センターのテラスで「大草原の小さな家」の本読みをした。小さ な背筋を伸ばし、文字のひとつひとつを目で追い、自分の順番が来るのをドキドキと待つ。ふっと、あの頃の感覚が頭をよぎり、私もまた、いつの間にか女の子に戻っていたようだ つた。

 ハーブ班の子供達は、とにかくよくしやべり、よく手を動かし、あれもこれも気になり …、目ん王を大きくさせながら、ハーブに触れ合う姿はキラキラしていて、一心不乱にソーセージの肉や、ハーブを刻む様子はなかなかの迫力であった。

 お米があっという間に底をつきそうになっていたり、畑でトマトをガブついていたり、 街にいる時とは全く別の食欲が、白州に行くと発生すると思う。からだを動かし、ああ、おなかがすいた、モーレツに眠たい、とか、基本のリズムを体が思い出すと、案外なんで もうまくいく気がする。子供はなお更そうなのか?「毎日、毎日」が毎日な日々では、体を知る暇もないのかな?白州でおいしいごはんをいっぱい食べたことはからだのどこかに 残っているはず。

 訳のわからない厄介なもやもやとしたものに包まれている自分に、そんな事言っても季節は巡るのだ、とたたずんでいる白州の山や人は、あまりにもでっかいので、たまに気持ちよく開き直る。「止まれ時、と叫ぶも虚しく響く夕闇の中」つて誰か歌ってたな、、、。

 そんなことを思いながら、帰りの道中には、まだ女の子のまま、車を運転する自分がいた。