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大人の作文

ハーブプログラム  マリ

 牧場の周辺にあるハーブは、昔ながら在来している和のもの、ずっと最近になって日本 人の食文化に取り入れられるようになってきた洋のものあわせて、毎年少しずつその種類を増やしています。今年は、それらの素材を教材として生かし、ハーブの持っている多様 な効用、用途を、いろいろな形で、生活の中に取り込んでみようと、中学年むけに、ハー ブを用いた1週間のプログラム構成をたてました。

 まずは、自分の足で歩きながら、様々な種類のハーブを採取することからはじめ、持ち 帰ったハーブは、図鑑でその効用を調べました。天然の薬として、体の調子を整える作用のあるもの、防虫効果のあるもの、肌をなめらかにするもの、料理のスパイス付け、保存 のために用いられるものなどなど、多様な用途があります。そして、実際にハーブをつかってみるプログラムとして、ハーブ風呂、ハーブ入りキャンドル・石鹸作り、ハーブ入り ソーセージ作りをし、最後のキララ祭りではハーブ喫茶を出店するほど、ハーブづくしの一週間になりました。

 防虫効果が期待され、また景観の美しさも生むことで、畑に植えてある黄色やオレンジ のマリーゴールドは、お風呂に浮かべたり、ハーブクラフトづくりに使用しました。いつもとは一風かわった贅沢なハーブのお風呂に、感激したようです。

 ソーセージ作りでは、作りはじめるまえに、『大きな森の小さな家』(ローラ・インガル ス・ワイルダー作)を朗読しました。アメリカで開拓時代の人々の生活において、貴重な豚肉を冬の間の保存食としての意味もかねて自分たちでハムやソーセージをつくりをし、 料理にハーブを用いていたという様子に、想像をめぐらせてみます。実際に、肉を詰めるための、塩漬けにされた羊の腸を取り出すと、その生臭さと、ヌルヌルとした感触に、こ どもたちは、顔をしかめてしまうほどでしたが、料理を始めると、夢中になって取組んでいました。大葉、セージ、タイム、ローズマリーなど、たくさんの種類をいれて、肉を良 くこねて、水で洗った羊腸につめていきます。初めはなかなか要領をえず、詰めては切れてしまうことの繰り返しでしたが、牧場のタカマツさんのアドバイスを受け、長ーいソーセー ジをつくることができました。苦労してつくったソーセージは、夜ご飯のおかずに、みんなの分行き渡らせることができるほどでき、味も格別だったのはいうまでもありません。

 目で、耳で、鼻で、口で、肌で、自分の体でそのものに触れてみることで、普段はあま り使われていない感覚を刺激され、都会では嗅いだことのない香りや、触ったことのない触感に出会う機会となったのではないでしようか。ハーブを通して、身近にある自然を生活 の中に取り込むことの楽しさ、自分の手で作ることの苦労と同時に楽しさのあることを味わえたと思います。